日本では昔から首にネギを巻いたりリンゴや生姜などの
消化に 良いものを食べたりと様々な民間療法が行われておりますが
その数ある民間療法のなかでも特に人気の高いのが「卵酒」です。
卵酒とは江戸時代より昔から存在する風邪の ひき始めに
飲むと良いと言われているアルコール飲料です。
卵酒がポピュラーに飲まれるようになったのは1624年から1644年頃で
「料理物語」という当時の料理書には卵酒の記述が残っており
「玉子をあけ、冷酒を少しずつ入れ、よくときて塩を少し入れ
燗をし出し候也。玉子1つに酒を織部坏に三杯入るよし」とあります。
さらに当時は練酒と呼ばれる民間療法も存在しており
こちらは「玉子に白砂糖を入れ 冷酒にてよくよく練り合わせ
燗を致し出し候也。」 とあります。
卵酒は現代のように風邪薬が無いときに薬として用いていた
伝統の民間療法の1つであり今でも風邪を引いたら卵酒を
飲むという方もいらっしゃいます。
しかし卵酒は確かに身体に良いのですが自分自身の免疫力に
頼る部分が大きいためどうしても治りが遅かったりします。
そのため即効性のある風邪薬を用いる方もすくなくありません。
また中には早く治したいがために卵酒と風邪薬を
併用していらっしゃる方もおられます。
そこで今回は卵酒と風邪薬を併用しても平気なのか子どもに飲ませても
平気なのかなどをご紹介してゆきたいと思います。
卵酒と風邪薬の併用は平気なの?副作用やデメリットは無いの?
日本に古くから伝わる伝統民間療法の1つ「卵酒」は
風邪のひき始めに効果を発揮すると言われています。
人間は身体の中にウイルスや細菌が侵入しても
これらを退治することができる免疫力が備わっています。
しかし何かしらの理由から免疫力が低下してしまうと
ウイルスや細菌を退治することができなくなり症状が
なかなか改善されなかったり重病化することがあります。
免疫力は体温が1度上昇すると5倍から6倍ほど上昇するため
風邪を引いたときは体温を上げることが重要となります。
卵酒の主な材料は鶏卵・日本酒でありこの2つの食材には
身体を温め免疫力を向上することができる作用があることが
近年の研究によって実証されました。
鶏卵には人間が生きてゆく上で必要なアミノ酸8種類が均等に含まれています。
これら8種のアミノ酸は免疫細胞を活性化させるために必要な成分であり
血液中のアミノ酸濃度を高めておくことで免疫細胞が活性化され
ウイルスや細菌を退治することができるのです。
卵には自然免疫力をサポートする働きを持つシスチンというアミノ酸が
含有されておりこの成分によって免疫力を大幅に高めているのです。
また卵の白身部分には塩化リゾチームという成分が含有されており
ウイルスや細菌を退治し免疫力を向上させることができます。
日本酒は昔から「百薬の長」と呼ばれており日本酒を
適量摂取することで善玉コレステロール(HDLコレステロール)を
増やして動脈硬化を予防することが明らかにされました。
特にお米と米麹を発酵させて造られた日本酒は
アミノ酸・ビタミン類・ペプチドなど代謝を促進させる成分や
ミネラル類を豊富に含んでいるため風邪対策に効果があります。
さらに日本酒には核酸の1種であるアデノシンが含まれており
血管の収縮を妨害し血液の流れを良くすることで身体の芯から
ポカポカ温めることができます。
卵酒が風邪に良いことは分かりましたが
医薬品化学である風邪薬との併用は可能なのでしょうか?
卵酒を飲むことで身体を温めて免疫力を高めることは
出来ますが風邪薬と共に摂取するのは大変危険です。
卵酒はアルコール飲料を用いて作られているホットドリンクです。
風邪薬の大半はアレルギー疾患に用いられる
抗ヒスタミン薬が使用されているため睡眠薬と
同様に中枢神経を抑制させる効能を有しています。
そのためアルコールによる効果が強くなり
副作用を引き起こすリスクが高くなります。
さらに卵酒と風邪薬は共に肝臓で分解・解毒されます。
しかし肝臓は1つしかないため2つを同時に分解することはできません。
肝臓はアルコールの分解を優先する傾向がありますので
後回しにされた風邪薬によって血液中の薬濃度が上昇し
中毒症状を引き起こす恐れがあります。
ですのでアルコールを含む卵酒と風邪薬を一緒に飲むことは避けてください。
子どもでも安心して飲める卵酒はないの?
卵酒の材料は鶏卵と日本酒です。
しかし卵酒にはアルコールが含まれているので
未成年のお子様には飲ませることができません。
なぜ未成年者がお酒を飲んではいけないのかご存知の方はいますか?
引用元:http://www.hakutsuru.co.jp/community/koizumi/story/story04.shtml
「成長期だから」「大人の飲み物だから」など
取ってつけたような回答ではお子様たちは納得しませんよね。
未成年者がアルコールを摂取してはいけない理由は以下の通りです。
・アルコールを摂取することで前頭葉が委縮し学力低下・集中力及び
記憶力の低下無気力などの症状が現れるようになるから。
・アルコールによって第二次性微の性ホルモンに悪影響を及ぼし男児ならば
勃起不全、女児ならば生理不順及び無月経を引き起こす可能性があるから。
・アルコールを分解する能力が未熟なため
急性アルコール中毒を引き起こす可能性があるから。
他にも様々な理由が挙げられますが主にこのような理由が挙げられます。
ですが卵酒を日本酒ではなく牛乳や豆乳で作ったり日本酒に含まれる
アルコール分をしっかり飛ばしてから 作ることでお子様でも
中毒症状を引き越すことなく安心して飲用することができるようになります。
卵酒のおいしい作り方とは?
風邪のひき始めに飲むと良いと言われる卵酒ですが
実はご家庭によって作り方やレシピが異なるため
これが正しいという作り方はありません。
お味噌汁同様おふくろの味と言っても過言ではないでしょう。
ですが卵酒を作ったことの無い方もいらっしゃるかと思いますので
鶏卵と日本酒の実を使ったシンプルな卵酒の作り方をご紹介します。
シンプルな卵酒
引用元:http://www.i-nekko.jp/kurashi/2014-012913.html
●材料
・鶏卵:1個
・日本酒:180ml
※日本酒の種類などはお好みで構いません。
①ボウルに鶏卵を割り入れしっかり溶きほぐします。
②①へ日本酒を加えしっかり混ぜます。
③鍋に②を注ぎ弱火でコトコト煮込みます。
このとき菜箸や木ヘラなどを使って常にかき混ぜ続けてください。
④トロッとしてきたら火から下ろし砂糖や はちみつを加えて味を調えてゆきます。
火が強過ぎると卵が固まってしまいますので
必ず弱火で常にかき混ぜるのはポイントです。
日本酒を牛乳にして隠し味にブランデーやラム酒を加えると
オシャレな大人の卵酒になりますのでいろいろと
アレンジしてみるもの良いでしょう。
未成年の方々に卵酒を飲ませる場合は日本酒を
しっかり煮切ってから作るようにしましょう。
日本酒の煮切り方は日本酒を鍋に注ぎ沸騰させます。
沸騰したらコンロの火が鍋に入るように 傾けて日本酒に火を移します。
煮切ると香りが立つので1度挑戦してみてはいかがでしょうか。
まとめ
卵酒についてご説明させて頂きましたがいかがでしたでしょうか。
海外でも卵やお酒を使った民間療法がありイギリスを中心に
愛飲されているエッグノッグは牛乳や生クリームをベースに
砂糖と鶏卵を用いて作られるノンアルコールドリンクですので
未成年者への風邪対策にもってこいのドリンクとなっています。
他にもチリのコラ・デ・モノやイタリアのボンバディーノ
オランダのアドヴォカートなど様々な卵酒がございますので
気になった方は世界の卵酒を作って風邪対策を 行ってみてはいかがでしょうか。
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